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キトウシ山の自然

キトウシの森 概要

キトウシの森は、東川町の北側に位置し、キトウシ山(標高457m)一帯に広がる自然公園です。その広さは、東京ドーム約25個分がすっぽり入ってしまうほどの広大なエリアです。園内には上川管内で最長のゴーカート、ジャブジャブ池など子供の喜びそうな施設がある他、展望閣(標高360m)や南展望台、北展望台からは、東川から旭川市街まで一望できます。特にオススメなのは、南展望台で大雪山系十勝岳連峰が見渡せます。この広大なロケーションを生かしたアウトドア施設として、パークゴルフ場、スキー場、温浴施設、キャンプ場、長期滞在可能な宿泊施設ケビンがあり一年を通して自然の美しさや野生動物との出会いを体験できます。

キトウシで遊ぼう!

キトウシ山(岐登牛山)の生い立ち

キトウシ山(標高457m)は、かつて、海底にあったと思われる痕跡が、現在でも確認できる場所があります。それは展望閣周辺から南展望台へ向かう散策路にある赤い岩(チャート)です。これは約1億5000万年前に海の中に住んでいた生物の遺がいなどが沈殿し、固まって、長い年月をかけ堆積岩(赤い岩:チャート)となりました。そのむき出しになっている地層や岩石の中から放散虫の化石が発見されていることから、今から約2億年前の北海道は、広々とした海だったと言えます。次に、南展望台の方へ歩いて行くと、赤い岩以外に灰色の岩(安山岩)を見かけます。それは今から約100万年前に大雪山系の山々が誕生し、その後、数十万年かけて火山活動が活発化して、次々と新しい山々が生まれる際に噴出した火砕流や溶岩などが、キトウシ山周辺部に流れ込み、それが冷え固まった後に、風や河川などの浸食作用を受け現在の形になったと考えられています。こうしたことから、キトウシ山の生い立ちは、海溝プレートの移動、海底の隆起と浸食によって誕生し、その後、隆起の上に大雪山の溶岩などの火山噴出物が乗っかり、場所によっては下層(赤い岩)がむき出しになっていたり、上層が大雪山の噴出物(灰色の岩)で覆われたりしていて、大変複雑怪奇な生い立ちのうえ、現在の山容になったと考えられます。ちなみに、キトウシ山の名前の由来は、もともとはアイヌ語で(Kito-us-nupuri)ギョウジャニンニクが、そこに群生している山という意味があることから山名になりました。

キトウシで見られる堆積岩(チャート)と安山岩

キトウシ山の森林

東川町の標高は215mなので、キトウシ山は、下部広葉樹林帯(標高400m以下)に属します。主に落葉広葉樹がほとんどで、イタヤカエデ、ミズナラ、オニグルミ、シナノキ、カシワ、シラカンバ、ナナカマド、ツタウルシなどが生育しいているのが特徴です。この樹林帯は、北海道の中央部の里山で多く見られる馴染みある森で、野生動物にとっても棲み家や繁殖地としても安心できいる場所となっています。 キトウシ森林公園の森には、多くの野生動物や草花が確認されています。植物でいえば、春には、フクジュソウ、カタクリ、ニリンソウ、エゾエンゴサク、エゾノリュウキンカ、オオタチツボスミレ、ザゼンソウ、エゾヤマザクラ、オオバナノエンレイソウ、キタコブシなどが、夏は、キツリフネ、ウシハコベ、エゾアジサイ、オトギリソウ、キリンソウ、ナデシコ、ヤナギラン、サイハイラン、クルマユリなど数百種の植物が生育しています。秋になると、その年のフィナーレを飾るかのように燃えるような紅葉になるのが落葉広葉樹が多いキトウシ山の特徴で、特に展望閣周辺は、オススメポイントとなっています。 野生動物はと言うと、哺乳類では、エゾリス、エゾシマリス、エゾタヌキ、キタキツネ、エゾクロテン、エゾユキウサギ、モモンガ、エゾシカ、ヒグマなど北海道で生息している主な哺乳類のそのほとんどがキトウシ山周辺で暮らしています。鳥類は、北海道で確認されているのは405種類。そのうち大雪山の山々では150種類ほど確認されていることから、キトウシ山も大雪山が近いので、恐らく、その数値に近い数の野鳥が生息していると考えられます。留鳥としては、アカゲラ、ヤマゲラ、ゴジュウカラ、コゲラ、エゾライチョウ、シマエナガ、トビなどは一年を通して観察できます。夏になると、オオルリ、カッコウ、キビタキなどが、冬期は、オジロワシ、キレンジャク、ベニヒワ、ウソなどが飛来し、春になると、近くの田んぼには、シベリアに帰る途中のオオハクチョウの群れを観察できます。中でも、冬から春にかけては木々の葉っぱがなく野鳥観察には最適なシーズンです。 次に昆虫ですが、あまりに種類が多いため、代表的な昆虫を紹介します。まずは、子供達に人気のクワガタといっても種類はいくつかあり、ミヤマクワガタ、コクワガタ、ノコギリクワガタなどが生息し、本来、北海道に生息していないカブトムシもいます。トンボは、オニヤンマやエゾイトトンボ、オオルリボシヤンマなど市街地では、なかなか見ることができない種類のトンボを見ることができます。最後に、爬虫類や両生類として、イモリ、サンショウウオ、アオダイショウ、シマヘビなどが生息していて、今では絶滅の心配がされる日本ザリガニもひっそりと水辺で生きています。このようにキトウシ山は、市街地に近いですが、一年を通して自然や動物達と身近に触れ合える貴重な里山です。

キトウシの仲間たち

キトウシの森で森林浴

キトウシの森にいらした際には、是非、散策路を歩いてみてください。そして、耳をすまして森の声を聞きながら深呼吸をし、森の香を楽しんでください。そうすることによって大変すがすがしく、とてもリラックスしている自分がいることが分ります。この森の香りの正体は「フィトンチッド」です。これは主に樹木が作り出して発散し、森林に漂っている揮発性の物質で、人間がこうした物質を浴びることを「森林浴」といいます。最近では、日光浴や海水浴と並んで、わたしたちの暮らしのなかに定着しつつあります。それと、フィトンチッドは身体をリフレッシュさせるだけではなく抗菌、防虫、消臭などのさまざまな働きがあり、フィトンチッドを上手に利用することによって、私たちの生活を健康的で豊かなものにしてくれます。 木は、太古の昔より様々な環境変化にも適用し生き延びてきたわけですから、こういった自己防衛の為の不思議な力が備わっていてもおかしくありません。 キトウシの森は、森林浴をするにも最適な場所で、物産センター前からコースインし、展望閣へ向かうコース。展望閣まで、車で行き、展望閣から南展望台までのコース。展望閣から北展望台へのコースです。各コースともそれぞれ特徴があり、体力に応じての森林浴を楽しんでください。詳しくは、物産センターインフォメーションディスクへお問い合わせください。

オススメ森林浴コース

登山コースバーチャルツアー
登山コースバーチャルツアーはこちらからご覧ください。

【1】ハイキングコース入口→展望閣(約30分)
【2】展望閣→南展望台(約15分)
【3】展望閣→北展望台(約15分)
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